KCブリッジ(モジライン)との再会④

8つのベッドがある1等室を独り占めして眠った浪人。
前夜はよく飲んで、時計の針が午前零時を回るまでには夢の中に誘われていた。
そんな深い眠りからパッと呼び起こされた。
窓の外から朝日が差し込んでいる。
時計を見るとまだ午前5時になったばかり。
普段の生活ではこんな時間に目覚めることもないので、
船尾のプロムナードデッキから払暁の海でも眺めることにした。
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左舷前方に陸地が近づいている。
金沢を出港してから久しぶり(といっても3日ぶりに過ぎないが)にみる日本だ。
早起きしてデッキに出てくる人もチラホラ。
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太極旗がはためいているあたりに
オリンピア88そしてニュー・ゴールデンブリッジ時代には聖火台があった。
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拙著「アジアフェリーで出かけよう!」には、13年前の旅の道連れとなったホソやんが
「これと一緒に写真とってよ」と、デッキに飾り付けられていたソウル・オリンピックの聖火台を見つけて、はしゃぐ
とある。

聖火台はKCブリッジからは撤去されてしまった。
ソウル五輪から20年、今年は中国で北京五輪。
アジアでのオリンピックイヤーに再びこの船に乗り合わせる縁の不思議さを思う。
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「墜落危険」「接近禁止」ということで手すりには近づけないようにしてある。
ここまで警戒している船は、浪人の船旅人生のなかでも初めて。
かつて事故があったのか、それとも船が古い(船齢28)ための措置なのか。

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6:30から朝食の時間。
韓国語、そして日本語のアナウンスが鳴り響く。
レストラン前には日本ツアーの韓国人女性添乗員がいて
参加者ひとりひとりに食券を手渡している。

浪人は朝食をパス。
なぜならこれからがこの航海のハイライト
関門海峡クルーズだからである。

右手に新日鉄八幡製鉄所が見えてきた。
この数日後にここで火災事故が起ころうとは、このとき浪人は夢想だにしていない。
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下関(荒田)と小倉(日明)を結ぶ関門海峡フェリー(株)のフェリーふく彦がまもなく小倉に到着。
http://www.kkferry.co.jp/
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小倉の街並を遠望。
ひときわ背の高いリーガロイヤルホテル小倉(左)をはじめ
JR小倉駅、リバーウォーク北九州が見える。
リバーウォーク北九州に隠されてしまっているが、この背後には小倉城がある。
画像右下には関西汽船の「おでんフェリー」(小倉~松山)が停泊していた。
http://rohnin1966.at.webry.info/200803/article_4.html
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関門海峡にさしかかるKCブリッジ。
その針路上に無数の小船が出ていたが、
KCブリッジが幾度となく鳴らすボーッ!という汽笛で移動、事なきを得る。
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おおっ!北九州にヴェネツィア出現かッ!!
実はこれ、結婚式場「アモーレヴォレサンマルコ」。
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北九州のヴェネツィアを通り過ぎるとすぐに
JR門司駅と門司赤煉瓦プレイスが見える。
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一方左手には彦島があり、ここは山口県。
それを過ぎると前方には宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で名高い巌流島、
下関市の海峡夢タワーと上海下関フェリー「ゆうとぴあ2」(下関~蘇州太倉)が前方に現われる。
http://www.ssferry.co.jp/
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このへんでようやく朝食を終えた韓国人乗客たちがデッキに姿を現す。
規律正しい小学生たちにとって、関門海峡が初めて目にする外国の風景なのだろう。
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いよいよ日本!
関門海峡大橋などをバックに記念撮影をする韓国からの訪問者たち。
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釜山港ではKCブリッジよりも早く出港したはずの関釜フェリー「はまゆう」(釜山~下関)だったが、
いつのまにかKCブリッジに追い抜かれてしまったようだ。
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そしてKCブリッジは6月にオープンしたばかりの門司港に入港する。
海峡ドラマシップのすぐ近くにあるプレハブの白い建物がターミナルで、
ここで税関・出入国検査・検疫(CIQ)すべて行われる。
3月にここに来たときには、釣り人が釣り糸を垂れるのどかな光景が広がっているだけだったが。
http://rohnin1966.at.webry.info/200804/article_4.html
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門司到着は7:30過ぎ。
定刻は8:30となっているので1時間も早い。
しかし入管の都合で下船は8:30とのこと。
それまでは船内で待機。

エントランスロビーのカウンターに備え付けられている日本入国カードなどに記入する韓国人ツーリスト。
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ラックに入っていたさまざまなパンフ類。
モジラインのパンフ、門司港レトロ地区のハングル版マップや
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毎日新聞のモジライン特集記事が入っていた。
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そして8:30、下船開始。
1等室でケータイのワンセグでテレビ番組を楽しむなどして時間をつぶしていた浪人が
アナウンスにうながされるようにロビーに出ると、
日本語があちこちで聞こえた。日本のパスポートを持っている人、ここに来て初めて船内で見つけた。

ええ、あのひと実は日本人だったの?

日本人と韓国人、よくよく見ないとあまり見分けがつかなくなってきたな~。
特に若い世代。

いよいよ下船。
ギャングウェイを下りてプレハブのターミナルへ。
旅行博士などのツアーグループと一緒に並んでいたら
「日本人の方はこちらへどうぞ!」
と審査ブースから係員の方が叫ぶ。
長い列をつくっている韓国の人たちには申し訳ないけど
列を抜けて日本人用ブースへ。
浪人の前にはオジサンがひとり。
このひと、昨晩レストランで飲みすぎてほとんどつぶれていたっけ。

入国審査では「快適でしたか?」と尋ねられたので
「よく眠れました」とこたえる。
金沢から出国・門司で帰国というかなりユニークなルートだが
その件に関しては全く触れられず。
荷物検査も非常に簡単。中身を見られることもなく、実にあっさりと日本入国となった。

門司港のターミナルはできたてということもあって、まだまだピカピカだった。
ターミナルの前には韓国人ツアー客のための大型観光バスが数台、待機していた。
客待ちのタクシーも。JR門司港駅までは徒歩7~8分くらいだけど。
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