航海作家カナマルトモヨシの船旅人生

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help リーダーに追加 RSS フェリーで日韓中東アジア3国周遊の旅〜東京脱出編

<<   作成日時 : 2008/09/22 15:53   >>

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4年に一度、世界中の耳目をひきつける大イベントが二つ行われる年が出現する。

イベントのひとつは夏季オリンピック。
そしてもうひとつはアメリカ大統領選。

2008年、北京オリンピックは終了。
熱戦の日々が遠い昔のことのように感じられるようになった秋。
オリンピックの記憶が薄れたころ、
新しいアメリカ大統領が決まる。

オリンピックとアメリカ大統領選。
4年前の秋もそうであった。

アテネオリンピックが終わり、
アメリカ大統領が決まるまでの秋、
あなたは何をしていましたか?

浪人は東京から韓国そして中国と
東アジアの隣人たちを訪れる
周遊の船旅に出ていた。

これからしばらくは、4年前に浪人が行った
フェリー乗り継ぎ日中韓3国周遊の旅について
つづっていこうと思う。




【10月23日】
りんかい線「国際展示場」駅で下車し、外に出ると、すでに空は墨をぬったような色に変わっていた。
駅前広場に面して右側に「オーシャン東九フェリー送迎タクシー」乗り場がある。
17時50分発の利用者は浪人だけ。

車内にはNHKラジオの大相撲中継が流れる。
東京港フェリーターミナルが近づいてきたその時、
ラジオから「関東・甲信越で大きな揺れを観測」とのアナウンサーの声。
「なんだか地震があったみたいですね」と運転手さん。
そして信号待ちで停車したとたん、ぐわんぐわん、という衝撃が。
運転手さんも浪人もかなり狼狽するほどの大きな揺れだった。
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ターミナルで乗船を待っている間にも、再び大きく長い揺れがあった。
新門司行き「おーしゃんさうす」にあるテレビでは、
地震に関する報道番組が流されていた。
ここで浪人は、震度6の地震が新潟県中越地方を中心に襲ったことを初めて知ったのだった。

19時10分、「おーしゃんさうす」は東京を出港した。(※1)
空には月がぽっかり顔を出していた。東京湾岸の夜景を見ながらの出港だ。
窓外に展開する羽田空港など京浜の街明かりをめでつつ、
乗船受付時にもらった食事カード(※2)で購入した鳥のから揚げと発泡酒で出発祝いをする。
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でも、新潟の地震もあり、いまひとつ酔えない。
夜の船内は静かで、被害状況を伝えるテレビの音だけが響く。

※1 2008年9月末現在では19:00東京出港
※2 食事カードは2008年に廃止されました

【10月24日】
9時15分、潮岬沖を通過。
気候は温暖で、浪人は3階のスカイルームで紀伊半島とその沖を行き交う船を眺めつつ寝そべっていた。
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スカイルームにあるテレビ画面は
メジャーリーグのチャンピオンを決めるワールドシリーズ
ボストン・レッドソックスVSセントルイス・カージナルスの模様を衛星生中継していた。
(当時、カージナルスには田口壮選手が在籍していたが、レッドソックスには松坂大輔・岡島秀樹両投手はいない)

老夫婦がスナックコーナーで談笑している。
奥さんは編み物をしながら旦那さんの持つ四国ガイドブックを見て、
名所やグルメスポットについて語り合っている。
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正午過ぎ、ちょっと奮発して2ポイントの寿司でランチ(他の食品は1ポイント)。
電子レンジで2分55秒解凍して出来上がり。
寿司をほおばっていると窓の外には淡路島と四国、
そしてかすかだが鳴門大橋が見えてきた。

13時15分、予定よりも早く徳島に入港。
15人くらい下船し、ここから乗船したのは5人ほど。
ちなみにこの航海の総乗客数は32人であった。

オーシャン東九フェリーの航路はまるでサッカーの試合のようである。
東京〜徳島が前半、徳島寄港中がハーフタイム、徳島〜新門司が後半。
トータル33時間50分、2泊3日と一見長そうだが、
お客も入れ替わるし沿岸風景も楽しめるので意外とメリハリのある航路である。

案内所で明日の門司駅行き乗り合いタクシーの申し込みを済ませ、
スカイルームで徳島県の海岸線を見ながら韓国での予定を立てたり、
展望風呂に浸かって太平洋を眺めたり、
室戸岬に沈む夕日を眺めていたりしているうちに、あっという間に18:00。
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船首に移動し、室戸岬の黄昏時を楽しむ。
静かな波の音を聴きながら海を眺めてぼうっとするなんて、とてつもなくゼイタクな時間だ。

 「おーしゃんさうす」の食事はすべて自販で購入。
レストランはなく、かわりに自販機に囲まれたオーシャンプラザで食事を取る。
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船内アナウンスもすべて女性の声の録音(女性乗務員はいない)。
ザコ寝のできる大部屋も豪華なスイートルームもなく、カーテンのついた2段ベッドの並ぶ2等洋室のみ。
浪人は2段ベッドが1つだけの、船首に近いキャビン。
ここを一人で使っているので、事実上、個室である。
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オーシャン東九フェリーには、大部屋のある昔ながらのスタンダードフェリーと、
いま浪人が乗っているカジュアルフェリーの2タイプがあるが、
予約はカジュアルのほうが先に埋まるそうだ。
利用者の個室志向や仲間同士で心置きなく旅を楽しむスタイルが広がり、支持を集めているとか。
これから何年かしたら、日本のフェリーの大半がカジュアルフェリー化するのかな、とも考えられる。

すると女性の声のテープが船内に流れる。
「案内所は明日4時半に営業を再開いたします」と。
早起きしなければならないので、荷造りや歯磨きを済ませ、眠る前に外を見た。
そこには足摺岬の灯台と土佐清水市の街明かりが暗闇の中でかすかに明滅していた。
時刻は21時20分。室戸岬に始まる土佐湾の縦断完了だ。

(つづく)

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